40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

屈辱と歓喜と真実と






屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の舞台裏



石田 雄太
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本のサブタイトルに”報道されなかった王ジャパン”と書かれていましたが、ほんと、その通りの内容でした。

当時の報道だと、王監督イチローあたりが割とメインで取り上げられていて、実際イチローは、この本を読む限り、チームを引っ張る役割を当初から期待されていて、その期待通りの役割を果たしているのですが、それ意外にも重要な役割を果たしたのが

ヤクルトの宮本選手
アマチュアの杉浦選手

の2人かなぁと思います。なんで、アマチュアの杉浦投手っておもうかもしれませんが、それは後で書くとして、まずは宮本選手がなんで重要と感じたかっていうことですが、こういう短期決戦というのは、チームの一体感がとっても重要のようです。

ただ、実際には参加する選手それぞれに、戦う意義についての共通見解が異なるようで、その辺りで一体感が生まれない状況に輪をかけて、今回参加したコーチ陣の緊張感の欠ける言動なんかもあったようで、正直この本を読みおわって

「よくこういう状況で優勝できたなぁー」

と感じましたが、要所、要所でチームに漂う空気を感じ取って危機的状況だと感じた時に、イチローはもちろん、宮本選手やそれ以外にも和田選手、谷繁選手といった面々の活躍により、チームとしてのまとまりがでてきたようにも感じました。

本を読む限り、こういう国際大会で、日本の代表として戦う際の心構えを、オリンピックという舞台などで、ことあるごとに伝えてきたのが、もう1人重要な役割を果たしたと思う、上記の杉浦投手。

本書から少し引用すると
日の丸を背負って野球をする姿勢ーつまり”日本代表のDNA”の伝道師としてもっとも象徴的な存在だったのが杉浦だった。彼はプロにもいけたのにアマチュアに留まり、国際舞台の第一線で戦い続けた。
とあり、過去の3回オリンピックに出て、負けたら終わりという状況で、とにかくチームとして勝ちたいという
強い欲求を持ちつづけて、そのためにどうあるべきかというのを強く持ちつづけて、そういう意思を周りの選手に伝えつづけて、その”日本代表のDNA”を、杉浦選手といっしょに戦ったことのある宮本選手などが受け継ぎ、それを今回のチームに注入していった結果、なんとか優勝という結果につながったようにも感じました。

本のあとがきでも、次回のWBC北京オリンピックを戦う上でも、今回のWBCでの教訓を生かして、場当たり的なものではなく、日本代表をいかにして「線」でつないでいくことが大切であるとあり、スポーツの世界では、昔から一定以上の成績を残すことが出来る伝統国(ex.サッカーのブラジル)というのは、昔から脈々と受け継がれている蓄積があり、それが結果に結びついているのでしょうね。