40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

セブン-イレブンおでん部会



タイトルに引かれてセブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側借りたのですが、セブンイレブンで売られているお弁当、デザートなど各種食品の開発の舞台裏について取材をもとにして書かれている内容で、結構トリビアっぽいような感じの内容が多くって息抜きに読むにはちょうどよかったかも。

本書で取り上げられていた商品はおにぎり、メロンパン、めん、デザート...とありますが、やっぱりここはタイトルになっているおでんの部分についてちょっと簡単にまとめておこうかと。

コンビニでおでんを買うのは、近所にコンビニがあまりないので、最近は買わなくなったけどコンビニのおでんのつゆってうまいなぁーっておもっていたけど、どうもあのつゆはかなり企業秘密な所があるそうです。

また地域毎にそのつゆの味も違うそうで、2006年からは全国を北海道、東北・信越、関東、東海、関西・中国、九州の6つのエリアにわけて、それぞれつゆの味も

北海道:「かつお・利尻昆布・いわし節」
東北・「信越:かつお・利尻昆布・煮干・宗田節」
関東:「かつお・利尻昆布」
東海:「かつお・利尻昆布・むろ節」
関西・「中国:かつお・真昆布・牛だし」
九州:「かつお・利尻昆布・鶏がら」

だそうですが、
セブンのHPにアクセスして商品のご案内、おでんのページ「こだわりのブレンド」欄をご覧いただきたい。日本地図の横にあったはずの「 」部分が記載されていないのだ。おそらく味を決める”節”の種類を表に出す事は企業秘密だからと、慎重になり、知らぬ間に要点を削除したのに違いない。(P.91より)
ということで、つゆ作りに関しては、かなり企業秘密の塊みたいです。

あと各店舗には、おでんマニュアルがあるそうで、味を出すおでん種(ちくわやさつま揚げ)や味を吸うおでん種(大根やたまご)のバランスに気をつけようとか、つゆが1時間で約700cc蒸発するから気をつけよう、具材の乾燥を防ぐために、つゆを上からまめにかけよう...といったようなことが、仕込み方法から販売方法まで書かれているそうです(どうでもいいけど、マニュアルのイラストが結構かわいい)

極めつけは、この本のタイトルのおでん部会で、セブンイレブンだけの新しいおでんを作るために、メーカーの方が毎週ミーティングをするおでん部会があるそうで、
部会と一口に言っても「つゆ」「大根」「たまご」「水物(こんにゃく・白滝」「畜肉」「練り物」「きんちゃく」「海産物」「とうふ」の9つもの分科会が存在するマニアックな集まりだ(P.101より)
と本当、かなりマニアックだなぁーという感じ。実際つゆ部会に著者の方が参加されたそうですが、どうすればしょうゆのメイラード反応を抑制できるかといった課題を討議されていたそうで、そんな姿を想像するとちょっと不思議な感じですがいづれにしてもこういった部会でよりよいおでんを作るための熱い議論がかわされて、おいしいおでんができあがっているのでしょうね。

こういった商品開発の命運を握っているのが鈴木会長のようで、一定の品質を満たしていない商品があった場合たとえ売れ筋商品だったとしても、彼のOKが出るまで販売再開にならないという徹底ぶりのようです。

根底にあるのが
基本的にぼくがいつもいうのは、作り手の都合で商品を作るなということ。(P.216より)
ということで、わかりやすい例でいうと、フライパンであおらずに、大量生産のために炊いていたチャーハンとか白飯のように炊いていた赤飯、そしてだめだしされること11回という冷やし中華など...とにかくその味へのこだわりぶりは徹底しているように思います。

個人的な考えですが、前にいた会社は外資系だったから結構実感があるのですが、日本のユーザは他の国の人達とくらべると、サービスに対しての要求事項がかなり高く、他の国なら満点ということをしても、日本では当たり前か、下手するとちょっと評価がわるくなるということを実際に体験してきたので、こういったお客様を相手に、作り手の都合ではなくお客様に対しての要求に真摯に取り組むのであればやっぱりこういう結果になるでしょうね。