40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

水はなんにも知らないよ

科学的に立証されているようでいて、実際には、インチキだったというようなことがあるかと思いますが、そういったニセ科学の1つとして”水”をあつかったビジネスの科学的な根拠の無さを正面からとりあげています。

本書で取り上げられていたような怪しい”水”の例として、波動水、マイナスイオン水、クラスターの小さい水、etc..というものは、水自体の効能をあれこれと説いているみたいですが、試験管での実験や、動物の実験のレベルでは、多少は効果が見られたとしても、実際に人間での臨床実験がきちんとされた結果があるわけでもなく、ある部分を誇張したり偽ったりしていることがほとんどのようです。

生理的に考えて、もしも本当に普通の水よりも吸収がよい水があるとすると、身体によいはずがありません。むしろ身体が大きなダメージを受けてしまいます。私たちは普通の水の中で生き、成長し、進化してきました。私たちの細胞内はホメオスターシスという機構が働いて、ある一定のバランスになるようにいつも調整されています。それが急に吸収のよい水のなか身体がさらされると、生物体内のバランスが崩れて病気になってしまいます。

水はなんにも知らないよ P.65より
ということのようで、別のページにも書かれていたのですが、人間が1日にとる水分量と排出される量が2.5リットル程度で一定になっているみたいですが、もしも過度に吸収されるようなことになれば、確かに上記で書かれているようなことが生じても不思議じゃないでしょうしね。

本書は、この科学リテラシーの大切さについて説いており、著者の方はそのために色々と啓蒙活動をされているそうですが、人間にとって水は生きて行く上で欠かせないものだけど、そんな水を、科学風な説明を交えて、悪巧みしようとする人というのは、世の中にはいると思うので、科学風なモノにひっかからないように、きちんとした科学リテラシーを身につけておくことが大切なんでしょうね。

※おまけ
本書読み終わって、ふと思ったのですが、こういうあやしい”水”に騙されてしまう要因として、自分よりも地位の高い人はそれだけ数多くの情報にアクセスしやすく、そういう人の意見を聞くのが、自分のためになるから、考えずに反応してしまうという「権威のもつ影響力の強さ」がその背景にあるように思うので、そのあたりについて影響力の武器[第二版]の第六章も合わせて読むと面白いかも


水はなんにも知らないよ



左巻 健男
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おすすめ度の平均: 4.5

5 並べて売ってました(笑)
5 水に関して流布する不正確な情報について、科学的な根拠で答える
5 やっと出ました