日本の「食」は安すぎる
スーパーのチラシ等で無農薬とか、有機栽培などの表示を見かけることがあると思いますが、ちょっと気になるのが、あまりにも安い値段で提供されていたりすると、
「これって本当かな」
と少しだけ疑ってしまいます。
別に偽装とかそういうことを言いたいわけではなく、たった2年間だけですが、以前に近所の農家の方の指導の下で、野菜栽培をしたことがあるのですが、正直野菜を育てるのがあんなに大変だとは思いもよらなかったので無農薬でやろうとした場合の手間を考えると、その分のコストが上のせされていないと、生産者である農家の方はやりきれないだろうし、そのコストを無視してとなると、必ずどこか(流通業者とか?)にしわよせが来ているのではということが言いたいわけです。
日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ないで同じようなことが書かれており、豆腐、納豆、漬物、ハム…と多岐に渡ってそれぞれの「食」で、きちんとしたモノを食べようと思ったら、それなりの値段を払わないと、手にいれられないわけだし、消費者としてもそのあたりをきちんと認識した上で、真面目な生産者の人たちが作るモノを"買い支えよう"ということを書かれています。
食に限らず、個々の人が自分の利益を追求しすぎた結果、全体の利益が損われることがあるように思っているのですが、公共経済学とゲーム理論というページにもでてくる囚人のジレンマで考えれば、決して得にならないのかなぁって思っており、
あらゆる場面において「お客様の要望通りに」という、徹底的に消費者寄の態度ばかりが目につくようになってしまった。と本書でも書かれていましたが、一昔前のように、モノ不足な時代だった時は消費者が不利な立場に置かれていた時代では今はないわけだし、生産者と消費者とのバランスを考えなおしても良いのかもしれませんね。
〜中略〜
社会全体としても良い方向に進んでいないように思えるのだ。
日本の「食」は安すぎる P.200より
山本 謙治
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