アメリカでは格差は”つくられた”ものらしい
超富裕層と貧困層の二極化が激しいアメリカにおいて、その格差の原因が色々言われるそうですが、
研究者の間では、技術革新が不平等と格差の最大の原因ではないという説が広まっている。技術革新ではなくて、結局アメリカ政治が右にシフトしたことで、平等を促進してきた規制や制度が損なわれ、そのことが不平等と格差を拡大するうえで決定的な役割を果たしてきたと理解されるようになった(P.13より)とあるように「格差は作られたもの」ということのようです。
本書では、現代のアメリカの状況だけではなく、過去においても、現代と似たような構図が存在していたと書かれているのですが、それはいまだに、アメリカの中にある根強い人種差別というのが影響しているようです。
非白人層に対するある類の差別のようなものを背景として、
極端に右寄りな思想の人達⇄(こういう人達にとって)都合の良い政策を打ち出す政府
という関係が成り立ち、都合の良い政策として、税制面において、富裕層の方が得をするような政策を出す事で、そういう人達からの政治献金を得やすくなるようですが、こういうことを念頭において、今回のアメリカの大統領選挙を見てみると、今まではちょっとわからかった争点のようなものが少し見えそうな感じ。
このブログ書いている時点ではまだ結果は出てないですが、さっき見た所だと、7ポイント差でオバマ有利とのことで仮に、非白人層のオバマが勝利した場合に
「今までの極端な右寄りの政権ではなくなり、比較的国民にとって平等な政策が出てくるのかなぁ?」
「超富裕層に対する政策(特に金融面)に変化が生じるのかな?」
「今までだったら超富裕層の支持基盤っていうのがある程度明確だったようだけど、政治活動をするのにあたって必要となる政治献金はどういう団体から集めることが出来るのかな?」
というような素朴な疑問も湧いてきたのも事実。
この本を読んだ事で、こういう疑問を感じる事が出来ただけでも、読んどいて正解だった