40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

「働かざるものでも食べられるよ」っていう世界というのを考えてみた



例年この時期は忙しいけど今年は景気の影響もあってか、昨年比15%以上忙しいように感じつつ、最近読みかけている以下2冊の本の影響もあってか、「働く」っていうことについてみんなが根本的に考え直す時期に来てしまっているのかもとふと思った。


ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ



ゲッツ・W. ヴェルナー 小沢 修司
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ベーシックインカムの方の趣旨としては、こんな感じと受け取りました。
・「働かざるもの食うべからず」という考えから脱却して、労働と収入とをそもそも別にしましょう。
・国がどのような国民に対しても一定の金額を一律支給しましょう。(これが本書のタイトルになっているベーシックインカムっていうやつ)
・モノやサービスを購入する時点に対して税負担をかけてそこから税金を徴収しましょう。

ちなみに著者はドイツの方で、てっきり経済学者か社会学者かと思い込んでいたのですが、ドイツでは結構大手の小売業の経営者とのことのようですが、一昔前とはちがって現代は技術革新が進んだ結果、人の手を多数使わなくとも大量に生産できるものが増えてきたので、そういう時代にある中で、働かなくとも一定の収入があって生活出来るレベルの収入が国民に一律に提供されている状況を前提に議論してみようというように感じました。

また、もう1つの子どもの貧困は、日本の話ですが、正直日本で生活にかなり苦労しながら日々生活をしている母子世帯というのが自分の感じていた以上に存在するということを知って、ちょっとショッキング。

実際こういう人達が一番困っているのが子どもに対する生活費はもちろん、将来の事を見据えての教育に関する事だったり、あるいは身の回りの事で何か困った事があった時に気軽に相談出来る人や場所が不足している事によるものというのもかなり比重を占めているように思います。

仮にですが、日本においても、最初にとりあげたベーシックインカム的なものが導入されたとすると、後者の本に出てくるような日々の生活を維持するために必死に働かなければいけないというようなことにまでもしかしたら、陥らないのかもしれないし、嫌々働いて精神的に追い込まれてしまって身体を壊してしまうことっていうことを経験する人もいるくらいだから、ベーシックインカム的なアイデアっていうのは今後真剣に考えてみてもいいんじゃないでしょうか。

自分が関連するIT業界ってものすごく不思議で
・IT系の技術要素は正直そこまで興味ないけど、仕方が無く仕事として選んでやっている
・(数こそ少ないけど)ものすごい創造的で100人分くらいの働きができるプログラマーがいたりするが、そういう人が自分のスキルが活かせる場で活躍出来ず不満を感じている
・とにかく単調なことをひたすらやらされていて身体を壊しそうになっている(もしくはなった)人

っていう人が混在しているけど、仮に毎月一定の収入源が存在するようになったら、2番目の人はより自分が興味ある分野に没頭してより付加価値のある仕事を自らやっていくだろうし、1番目の人や3番目の人の大半は全く違った分野の仕事に就くか、あるいは2番目の人のようになるために、しばらくは仕事をしないでさらに勉強したりするんじゃないかなぁ。

まぁ実際にベーシックインカムの考えを日本で導入するには難しい事も有るんだろうけど、最近の景気の悪さからくる仕事の絶対量の減少というのを感じている立場からすると

「働かざるものでも食べられるよ」

っていう世界のほうがよほど健全かなぁと。