40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

「1対21」のサッカー原論−「個人力」を引き出す発想と技術−

欧州の主要なリーグですでに始まっている所(プレミアとか)や、この週末から始まる所(スペインのリーガ エスパニョーラ)など、ワールドカップ後のシーズンが始まりますね。

今回のワールドカップを見ていてドイツ勢の勢いが感じられたので、ブンデスリーガに注目しています。日本人選手が活躍できるかどうかは、その国の文化、風習に馴染んだ上で、個々のスキルをいかにして発揮するかということになるかと思いますが、その参考になりそうな本を先日読んだのでちょっと紹介します。

この本の概要は

タイトルに「個人力」とあるように、サッカーにおける「個」の部分の重要性について書かれていますが「個」という言葉の印象から、エゴイスティックなプレーみたいなものについて想像されるかもしれませんし、実際自分もそういう感じの本かなぁーと思って目次を眺めていたら、良い意味で裏切られました。
個人戦術を重視=チーム戦術の軽視ではないというようなことが書かれている通り、まず個人個人が自分自身の戦術、つまり、自分に何が出来て、何が出来ないのかというのを常に意識、判断することの重要性について書かれており、その考えをベースにして、いかにして指導するべきかという考え方をいいくつか提言されています。

この本を読んで印象に残った個所は

著者の風間さんが何度も「考える力」の重要性を説いており、その点が特に印象に残りました。

1つ例をあげると、日本のサッカー選手は練習では決して外国の選手なんかと引けを取らず、むしろボールの扱いについては上手な部類に入るそうですが、実際のサッカーの試合となるとボールの扱いが下手だと思われていた外国の選手の方が試合で活躍することがあるそうです。

この背景にあるのが、外国の選手は、小さい頃から、自分の特徴を理解して、対峙する相手との力関係をはかり、自分が相手より優れている部分は何かを常に考える習慣というのが身についているからだそうです。

実際の試合の場面でも常にこの「考える習慣」を駆使しているからこそ「サッカーが」上手なんでしょうし、こういう習慣があまり身に付いてないと折角ボールの扱いが上手だったとしてもそれを活かす場面が出ずに活躍できないっていうことになるのでしょうね。

他の人におすすめのポイントは?

現在発売されているNumberの「日本サッカーの未来を語る」という特集記事でセリエAの森本が取り上げられていて、この夏に彼が所属しているカターニャの監督についたマルコ・ジャンパオロという監督から


モリ(森本)の才能のうち最も重要なのは、今の自分に何が欠けているのかを彼自身が正しく把握しているという点だ

と評価されていることが書かれていました。

こういうのも日々何が足りないかを考えているからこそ、それが練習でも行動として現れていて、監督にそういう部分がしっかりとつたわっているのかと思います。

日頃から自分の特徴が何か、どんな場面でそれがうまく発揮できるのかというのは何もスポーツに限った話でもなく、一般のサラリーマンにも通じる部分があるかと思うので、サッカーやスポーツにあまり興味ない方でも、軽い気持ちで読んでみると何かヒントになることが得られると思います。

「 1対21 」 のサッカー原論 「 個人力 」 を引き出す発想と技術
風間 八宏
二見書房
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