ビール片手にプログラマーを一生の仕事にするために出来ることを考えるトークイベントを行いました
ソニックガーデンの倉貫さんが「納品」をなくせばうまくいく-ソフトウェア業界の“常識-を変えるビジネスモデルを出版されて、その記念にトークイベントしませんかという流れがあって、今回、このビール片手にプログラマーを一生の仕事にするために出来ることを考えるとトークイベントが実現できました。
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ここ最近実施するトークイベントはおかげさまで、キャンセル待ちが出る状況で、かつ、参加率高いのですが、昨日は、過去のものと比べても最高というくらいのキャンセル待ち&参加率(15名参加予定で13名参加)でした
告知文でいくつかテーマをピックアップしておいたのですが、参加者が聞きたいであろう関心ごとがあると思ったので、こんな感じで当日簡単にアンケート取りました。
みなさんが興味・関心あるテーマ+αという感じでひとまず
- 納品の無い受託開発
- プログラマーという仕事について
- 年に2回合宿をして何をするか?
という3つの切り口で以下まとめます。
納品の無い受託開発
最初に、参加いただいる方の属性を簡単に確認するために質問をした所
- ソニックガーデンのことは知っている
- 「納品」をなくせばうまくいくの書籍を購入されてる人が半分以上いた
という状況だったので、倉貫さんの自己紹介はスキップして、告知文でも触れていた納品の無い受託開発についての話題から触れていきました。
そもそもこれをやろうと思った経緯について
自社サービスをやっていて、そちらが成功して安定してきて、次の成長の機会を考えていた時期があったそうです。
次の成長を考えた場合に、
- 自社サービスxAgileは相性がよく、実際にそういうやり方で成功してる企業が他にもあった
- 前職で一括請負による受託開発をしていて、そういう形ではない何か新しい受託開発が出来ないかと考えていた
というようなことを踏まつつ、必要なときに必要なだけ利用できるクラウドサービスのやり方にヒントを得て、新規事業とか会社を立ち上げるような方を対象にしてこの納品の無い受託開発というやり方を思いついたそうです。
納品の無い受託開発をお客さんは最初から理解してくれたのか?
新しいモノややり方というのは受け入れづらいという人が多いと個人的に思ってるので、こういう納品の無い受託開発という新しいやり方について、最初からお客さんが理解を示してくれたのか気になったのでお伺いしてみました。
実は、このやり方については、お客さんの方から持ちかけられた話がキッカケだったそうで、そういう点では最初から理解があるお客さんだったとのことでした。
プログラマーという仕事について
ソニックガーデンにおけるプログラマーの役割が一般のそれとは異なる
本編のトークイベント前の交流会の段階で、倉貫さんと参加者との会話でもこの件は話題になっていました。
プログラマーというのは、分業制で、仕様書に沿って決められた通りに作るというのが一般的なイメージで、かつてはそういう役割だったかもしれないが、現在はそういうスタイルの仕事はかつてに比べると圧倒的に少なくなってるし、現在期待されるプログラマーという役割はそういうものではないという感じのお話が出ました。
※ 余談ですが、倉貫さんは、他の人からプログラマーではない言葉を考えた方が良いのではということを言われるそうですが、あえてそのままプログラマーという言葉を使い続けているとのこと。
ソニックガーデンのプログラマーは大変じゃないのか?
ソニックガーデンのお客さんは新規事業/新規サービスをインターネットを通じて提供することを考えてるところが多いそうで、業界・業務というのは別に特化しておらず、3ヶ月を目処にローンチするようなことを前提にお客さんとコミュニケーション取りながら開発&運用をしてくそうです
そうなると、前提となる業務・業界知識のような所もお客さん毎によって当然変わってくる上に、ベースとなる技術もお客さんの要望に答えるために、常に一定水準を満たしてないといけないため、ソニックガーデンで働くプログラマーは大変そうだなぁと横で聞いて思ったので
「ソニックガーデンのプログラマーは大変じゃないですかね?」
と素朴に思ったので聞いたのですが、そもそも万人に出来るような仕事を目指しておらず、少数精鋭で小さくあることを考えてるので、当たり前という感覚をお持ちとのことでした。
これに関連しそうなことを1つ書いておくと、この後の参加者からの質問の中でなぜRubyで開発をしてるのか?というのがありました。
元々倉貫さんがRuby/Ruby on Railsでの開発をしていたからというのもあるそうですが、それに加えてRuby/Ruby on Railsでの開発については、出来る人とそうでない人とのスキルレベルの差が出やすいというのも根底にあるそうです。
誰もが出来ることをやってない少数精鋭なソニックガーデンという会社というかチームを考えると、こういうスキルレベルの差が激しい技術を採用しているのはプロフェッショナルサービスを提供するという発想が根底にあるんだなぁと改めて思いました
プロフェッショナルサービスを提供するという件については倉貫さんが書かれたこのエントリが参考になるかと
年に2回合宿をして何をするか?
リモートで働いてるメンバーもいるため、年に2回合宿をしてるそうです。以前は開発合宿的な感じだった時期もあるそうですが、日頃から開発合宿のような感じで仕事をしてるので、そういうことはせず、現在は、個人のビジョンと会社のビジョンについて考える場としてるとのこと。
どういうことかというと、個人のビジョンとして例えば
- 将来は田舎で暮らしながら開発の仕事をしたい
- 技術をとことん極めたい
というのがあったとします。
10人いれば、当然のことながら個々のベクトルは異なるため、それらが完全には一致しないかと思います。
会社というくくりで考えた場合に、その個々のベクトルを包括するような大きなビジョンがあるうちは、会社も個人も双方幸せな状況なので、そういう認識をお互いに確認するために合宿という場を活用されてるとのこと。
イベント&書籍の中でも小さい会社を目指してるというお話があったのですが、会社が小さいからこそ、個々のベクトルを包括するような大きなビジョンを描きやすいし、そういう利点を最大限活用されてるのかなと感じました
他にもまとめきれない程に話題が満載なイベントでした
途中、参加者同士自己紹介してもらいつつ、倉貫さんに聞きたいことを書き出してもらって、それを受けて、いくつか倉貫さんからお話いただきました。
ギルドについての質問、リモートで働いてることについての質問や、創業してから辞めた人の話とか、何名くらい採用面接したのか・・ととにかくまとめきれないくらいに話題満載の濃密なイベントで、今回も企画&運営してよかったと思うし、フリーランスとしての初仕事も3時間近くかけてこうやってブログにまとめられて、無事に終えられたかなと思ってます。
ちなみに、倉貫さんの言葉を借りると、ギルドの仕組みはAKB48みたいなものらしく、ちょっとググッたらAKB48のメンバーは誰に雇われている?(つづき)というエントリを読んでて、あー確かにギルドの仕組みはそうだなと一人納得しました(^^)
最後にですが、毎回会場を利用させてもらってるCo-Edoの田中さん、今回こんな感じで素敵な料理&ビールをスポンサーしてくださったPROsheetの中川さん&田口さんどうもありがとうございました!
Qiitaの中の人とQiita:Teamを使う人と共に理想のチームについて考えるトークイベントを行いました
Qiitaの中の人とQiita:Teamを使う人と共に理想のチームについて考えてみませんか?という内容で、昨日トークイベントを実施しました。
Qiitaの開発・運営元のインクリメンツ海野さんも、MUGENUPの伊藤さんも、学生時代などにインターンなどでネット系企業のカルチャーを存分に体験しつつも、その後今の会社設立という流れをされてきてる中で、チームビルディングというか、会社の文化をどう形作ろうとしてるのか純粋に興味があったので、お2人にオファーをしてお話いただきつつ、これまでの運営同様に、参加者が聞きたいであろうことを引き出した形にしました
印象に残ったポイント
毎回人数を絞って開催してるのですが、一般の応募+それぞれの登壇者の知り合いの方もお招きしたことで、参加人数がほんのすこしですが、自分がコントロール出来る範囲を超えたこともあり、細部まで話を覚えてないですが印象に残ってるポイントだけちょっと触れておきます
海野さんのお話
- お手本にしてる会社とかチームについてお尋ねした所、GitHubとのこと
- 逆に「こういうチームはあまり好まないものはありますか?」と尋ねた所、お互いを褒め合うだけの慣れ合いになってるようなものは、結局のところ、それぞれの世界で閉じこもってしまうため、そういう関係性は好きではないとのこと
- 時には、ネガティブな指摘を相手にすることも仕事をする上では必要。ただそれも、前提としてお互いが信頼をしてるというのがあった上で初めての話しである
- (Qiita Blogで海野さんが以下書かれていたのを前フリした上で)こういうのをやろうと思ったキッカケみたいなものがあったのかとお尋ねした所、海野さん自身、オンライン上のコミュニケーションに閉じこもりがちになってしまうので、オフラインで、仕事と関係ないことを気軽に出来る空気を作りたかったとのこと
社員の持ち回りで3時のおやつを買ってきたり(#incrementsweets),週末にTGIFとしてピザやYEBISUビールを楽しみながら色々話しています.
伊藤さんのお話
- 新しいことをやってみようという雰囲気がエンジニアチームにはあり、実践しやすい空気がある。
- Qiita:Teamを使うことになったのも、ドキュメント整備の必要性を感じてい時期に、タイミング良くQiita:Teamがリリースされて、Markdownで書けるというのがエンジニア的には心地よいというところからすぐに採用決まったらしい
- そういう新しいのを取り入れても一定期間しっかり利用してみて、運用上の改善事項があれば、日常業務でアジャイル/スクラムを実践されれて、その振り返りの中で、こういうツールについての問題についてもしっかり共有される
- (私自身が伊藤さんとお会いした当初のMUGENUPさんの会社規模は10名程度だったが、現在はそれの数倍の規模になってますよねという前フリがあったのですが)ある時期からお互いの関係性が見えづらくなってきて、これはマズいと感じたことも有り、パワーランチという形で、定期的に部署を超えてお互いを知る機会を作ってる
- このパワーランチの風景が後日社内SNS上に流れて、その時の雰囲気が全社に伝わるようになってる
参加いただいた方が共感したポイントとか、違和感を感じたこととか、質問したいこと
トークイベント自体は全体で1時間程度を見積もっていたのですが、だいたい25分程度経過した頃合いで最低限の話は引き出せたかなと思ったので、それ以降、参加者隣同士でペアーになってもらって、話の内容に共感できた事、違和感を感じた事などを紙に書きだしてもらいました
ここから、1つ以上の項目を海野さん、伊藤さんにピックアップしていただいて、再度トークを進めたのですが、大きな部門になるとツール導入しづらいという質問について、海野さんから、Qiitaを実際に導入してるユーザさんの声というか事例について語っていただいたのが、参加された人にとっても良いフィードバックだったのかなぁと思ってます。
トークイベント終了後も、任意で会場に残っていただき、料理やビールを飲みながら皆さん楽しそうにお話されていてそういう姿を見て、こういうのを企画、運営してて良かったなぁと思ってます
シリコンバレーで起業したエンジニアに聞く「シリコンバレーのリアル」
先日、シリコンバレーで起業したエンジニアに聞くトークイベントを開催しました。
今回喋ってもらった中河さんは以前からの知り合いなのですが、そもそも中河さんをご紹介いただいたのも、何度かこのトークイベントで喋ってもらってるpaperboy&co.の梅谷さん通じてという縁だったりします。
そんな彼が以前からやりたいと思っていた自動車向けのサービスをやるためにシリコンバレーで起業して、仕事の関係で一時的に日本に戻っていたこともあり、今回こういうイベントが実現出来たのも、何かの縁なのかなとふと感じました。
当日のイベントの流れ
告知文でも記載していたのですが、起業家視点でシリコンバレーの実情を聞けるトークイベントはそこそこあると思うのですが、エンジニアの視点からのものとなると、あまりないかと思ったので シリコンバレーで起業したエンジニアに聞く「シリコンバレーのリアル」 というタイトルにしたのですが、参加者の属性としても
- エンジニアタイプ
- サービス企画/経営者などの非エンジニアタイプ
のどちらが多くなるか想像がつかなかったのと、今回のイベントでどういう立場の人が参加してるか全体で共有したほうがイベントとしても盛り上がると思ったので、こういう感じのものを準備しておおまかに可視化しました
受付をすませた方から順番にビール&料理を片手にしばらく交流をしてもらいました
トーク開始
今回は、中河さんのお話を色々な角度で引き出したい気持ちがあったので以下の様な構成でお話を進めていきました。
中河さんのこれまでの経歴にふれつつ自己紹介
元々は、自動車整備士をされており、その後、関西のソフトベンチャーで業務系のWebアプリ開発をして、Linuxディストリビュータ企業にてLinuxカーネル・ドライバエンジニアとして仕事をして・・という感じでかなり波瀾万丈な経歴だったので、その辺りについてまずは触れていきました。
話の中で、「以前から自動車向けサービスをやりたかった」
という話が出たのですが、前職はSNS系サービス企業にて自社サービスのWebアプリやAndroidアプリの基盤技術を整備する専門チームにいたので、そのあたりの経験から今回の起業にと思ったのですが、もっと前からこの構想はもっていたそうで、元をたどると、自動車整備士の仕事をしていた経験も踏まえてとのことでした。
実際の所日本人エンジニアのスキルはどうなのか?
タイトルに、シリコンバレーのリアルというのを入れていたので、おそらく大半の人が聞きたいであろうことについて、質問しました。
ちなみに中河さんは、ご自身でネット上などで積極的に情報発信してないですが、上記で少し触れてますが、
があるように下(ハードウェアに近い所)から上(アプリケーションレイヤー)までひと通り高いスキルを持ってます。
そんな彼の目からみて、日本人エンジニアのスキルはどうなのか聞いてみたところ、日本人エンジニアのスキルも十分通用するとのことでした。
理由としては
FacebookとかTwitterにいるような凄腕エンジニアは確かに凄い人もいるが、私達が見聞きするような人はそういう会社の中でもごく限られた人であり、全員がそういうレベルにあるとは限らない
コワーキングスペースで、元○○○という人とたまたま隣り合って、プログラミングについての質問とか相談をうけるそうですが、Androidアプリ開発でも割と基本的なこと(メモリリークに関するような処理)をわかってなさそうなことを聞く人もいる
だそうです。
言われてみると、FacebookとかTwitterのような世界的に有名な会社にいるトップの人のスキルは確かに凄いとは思いますが、それ以外の人や、シリコンバレーにある他の会社の人ってそもそもどんな人がいるのか知る由もない中で、
「シリコンバレーにいるエンジニアはみんな凄そう」
というイメージは、ごく一部の凄い人のイメージが、そのまま他の人にも何となく適用されてしまってる状態で、実際には全部がそうとは限らないというのは、現地にいる人ならではのお話ですね。
その他のシリコンバレーのリアルな質問は参加者から引き出しました
日本人エンジニアのスキル以外にも、聞いてみたい質問がいくつかあったのですが、参加者の属性が今回割とバラバラだったことも考慮して参加者から質問を引き出すことにしました。
具体的には、参加者同士でペアーになってもらって、互いに話し合ってもらった内容を書き出してもらい、中河さんに答えていただく方針にしまいた
10分程度、参加者同士で話し合ってもらったのですが、色々な角度での質問が多数あつまりその中で以下のような話題についてとりあげました
- どんなサービスなのか?
- 諸事情あって、これはお話できないとのこと
- 現在のチーム構成について
- 現在のチームは、日本人2人、アメリカ人2人の日米混成チーム。エンジニアは中河さん1名。
- CEOとの出会い
- 起業する前は知り合いでなかった
- 働き方。具体的にはリモートな働き方なのかどうかなど
- ぶっちゃけ、どれ位忙しいのか?
- 上記記載したようにエンジニア1名で、サーバーサイドのアプリ、組み込みに関する部分、Androidアプリと全部やってる状況なので、忙しい。
トークイベント自体は、一旦午後9時で〆て、その後、任意で懇親会という形にしたのですが、午後11時頃まで中河さんとお話されてる人はもちろんですが、参加者同士で親しげにお話されてる人も結構いて、今回も良いイベントが出来たと思ってます。
そういう私も、過去なんどか参加いただいてる方と、割と密度濃くしゃべることが出来たりして、個人的に満足度高い時間が過ごせました。
ビール片手にWeb系の中の人と理想のチームについて考えるイベントを実施しました
先週ですが、ビール片手にWeb系の中の人と理想のチームについて考えてみませんか?というイベントを実施しました。
イベントレポートとして、会社のブログに書かないといけないのですが、そちらの方はもう少し文章量を削った形で公開するので、そのための土台となるものを自分用にまとめました(凄く長文)
目次
イベントの中での印象深い話
共感できたポイントと、違和感を感じたポイントをまとめてもらう
- 参加された方が違和感を感じた部分
- イベント運営に関連して
- 参加者の手の動きにも着目する
- 参加者への意識と登壇者の話を引き出すバランスの難しさを実感
イベントの中での印象深い話
藤井さん、和田さんそれぞれが持つ理想像、現実の話をおおまかにお話いただいた後に、参加者との共通イメージを持てるように、
「例えばプロ野球のxxみたいなチームという感じで、世の中に存在するもので、理想のチームってどんなものがありますか?」
と話を振った所、和田さんのお話が印象深いのでそちらについて掘り下げていこうと思います。
理想のチームはジャムセッションのようなもの
和田さんは、プライベートでスティールパンという楽器の演奏をされてるそうですがその演奏体験を踏まえてジャムセッションの話が出ました。
※ジャムセッションとはこういうことのようです
ジャムセッション (a jam session) とは、本格的な準備や、予め用意しておいたアレンジを使うことなしに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏すること。(Wikipediaより)
このジャムセッションの話の前後で、何度か 自律的にとか 目線が揃ってる というキーワードが和田さん、藤井さんの口から出ていたのですが、おおまかなテーマは決まってるけど、細かい準備などはせず、他の人が奏でる音を感じつつ1つの音楽を作り上げる過程というのが 自律的にとか 目線が揃ってる というイメージに結構近いように思えました。
あと、参加いただていた方から
「ハッカソンでも、1つの目標に対して、その場でチームを組んだ参加者が、それぞれの持ってるスキルを発揮しながら、1つのアプリやサービスとなるものを作っていく過程がジャムセッションっぽい」
というコメントがあったのですが、言われると確かにそういう感じがしますね
ジャムセッションの話に興味を持った訳
自分が企画&運営してるキャリアトークイベントは、毎回、登壇する人を含めたクローズドなFacebookグループを作り、そこでおおまかな方向性やテーマに関連するような話題とかをこんな感じ↓で共有するようにしてます。
おおまかな方向性は共有するけど、台本を作って細かく決めるようなガチっとしたものは作らないようにしてます。
というのも
- 参加される人の表情
- 参加されてる人の仕草(メモを取ってる時のちょっとした手の動きとか)
- 会場の空気感
などを感じ取りながら、イベントを進めていくことで、思いがけない展開が生じて、大げさな言い方をすると二度と生み出せないようなイベントにすることで、価値あるものになるかなと思ってるからです。
こういう考えが、自分の根底にはあるので、ジャムセッションの話は、横で聞いてて余計に印象深く感じました。
あと、理想のチームという本来のテーマからしても、こういうライブ感みたいなものを大事にしながら物事を進める場合に、その場その場の状況の変化というのが前提になるだろうし、そういう変化を楽しめるようなチームというのは、言葉通り、理想なのかなと。 現実はまぁ。。。難しいですよね ^^;
共感できたポイントと、違和感を感じたポイントをまとめてもらう
「理想のチームについて考えてみませんか?」というタイトルにしてたので、参加いただく方の意見を拾いながら、話を進めたい気持ちがあり、Facebookグループ上でこんな感じの意見交換をしてました。
1)Co-Edoさんにあるホワイトボードをお借りして、受付時 or トークが一段落したタイミングで、参加者の大まかなポジションがわかるように事前に準備しておいたネームプレート的なものを貼る
2)ホワイトボード上で参加者のおおまかな立ち位置が見えるはずなので、近い属性の人同士でグループになってもらう
3)普段の仕事内容は当然違うとおもうけど、チーム規模&役割が近い人同士だと似たような課題を抱えてるのかなと思うので、そういう人同士で、藤井さん、和田さんの話を聞いて、 - 共感出来た部分 - 少し違和感を感じた部分 について話し合ってもらって紙に書いてもらう。
4)書いてもらったものを回収。ホワイトボードに貼り付ける。 5)藤井さん、和田さんでそれぞれ気になった内容を1つだけピックアップしてお話してもらって一旦トークイベントをクローズ
時間的に余裕がある人は、ホワイトボード貼り付けた紙の内容を酒の肴に、交流をしてもらう
特に、違和感を感じる部分を抽出することによって、それぞれが思い描く理想のチームというのがおぼろげながらも見えてくることで、参加してもらう人だけではなく、当日登壇いただいた藤井さん、和田さんそれぞれの状況でも何かヒントとなることに繋がるのかなと思ってこのようなことをやってみました
参加された方が違和感を感じた部分
ボトムアップで出来上がるチームは理想的だが、やはりこれについては違和感を感じるというニュアンスの意見がいくつかありましたが、その中で、個人の目標と会社としての目標というテーマの話題が出ました
個々の中で思い描く目標と会社としての目標とが、同じ方向を向いていればいいけど、例えば、エンジニアな人の場合には、自分自身のスキル向上とかを目標に置いてしまって、ややベクトルが合わなくなることとか出てくるのではという意見が出ました。
これは実際ありそうな話題かなと思うのですが、少なくとも、藤井さんとしては、そもそも採用段階でそういう意識な人を取らないようにしてるとのこと。
藤井さんは1ヶ月ほど前に、自分のブログで
我々の会社がやろうとしているのは、コミュニケーションという領域なので、自分以外の人間への想像力を持てない、他人に興味を持てない、人に共感することが出来ない人はもうその時点でミスマッチなんですよね
顧客を理解し、良質なユーザ体験を提供すること。 チームの仲間を信頼し、協力してゴールを目指すこと。 そこに厳としてあるもの、これこそモラルだと思うんですが、如何でしょうか?
と書かれてたので、個人的に納得なのですが、参加されていたみなさんは、イベント終了後の懇親会で、ビールや食事をしながら個々が思い思いに話し合っていたので、そこで少しでも何かヒントとなるものをお互いに得られていればと思ってます。
ただ、このテーマについては、すぐに答えが出るような類でもないと思うので、今後これをシリーズ化して、色々な人の話を聞く中で最適な考えというのが導ければなぁと思ってます。
イベント運営に関連して
ここ最近、自分がやるキャリアトークイベントは、ベースの部分は変えてないのですが、細かい所で毎回ちょっとしたチャレンジ要素を入れて運営してるので、今回の運営についてちょっと振り返っておこうと思います
参加者の手の動きにも着目する
イベントのサポート役として、今回、高柳さんに協力いただいたのですが、協力依頼する時に、お昼を食べながら打ち合わせをしてた中で、以前に高柳さんに協力いただいた時のイベントを振り返っていた時に、高柳さんが普段意識してるポイントについて教わったことがとても勉強になりました。
それが、参加者の手の動きにも着目する という部分。
イベントの時にメモ帳やPC使ってメモを取る人がいるかと思うのですが、途中から手の動きが止まってしまう人というのがあるとのことで、何故、こうなるのかというと
- ある程度聞きたい内容が出尽くしてしまって、それ以降は自分にとって興味が無い話が続いてしまったから
- その人にとって知らない話題とかキーワードが出てしまったことで、「えっ?それって何だろう?」という意識が強くなってしまって、話を見失いつつある状況にある
ということが要因として考えられるそうです。
過去のイベントでは、参加者の表情は自分も割りとチェックしていたのですが、参加者の話を聞いてる時の手の動きとかまではあまり意識したことがなかったので、こういう部分、意識して今回運営しようと決心してイベントに望みました。
参加者への意識と登壇者の話を引き出すバランスの難しさを実感
結果はというと、自分の中では、今回のイベント運営は30点/100点という感じでした。。。
参加者のイベントへの参加具合といういか気持ちの入り具合を見極めつつも、スピーカーの話の展開を頭に入れて、これまでの話題を深堀りするか少し話題を変えるべきかを判断するという部分で、どうバランスを取るかというのは想像してた以上に難しかった。
幸い、高柳さんがいてくれたおかげで、参加者を巻き込んだ話題になった時に、議論が空中戦にならないようにこんな感じでいつも持参されてるノートでこんな感じでまとめてくれたおかげで進行がうまく進みました。
今後はこういうところも自分でうまく対処しながら上手に運営できるようにしたいので、まずは大きなノートを買わないと^^;
ペパボとHerokuの中の人に聞くチーム間コミュニケーションのホンネというイベントを実施しました
最近、Node.js+expressなコードをずっと書いてて、ホントはそっちの話を書きたいのですが、昨日ペパボとHerokuの中の人に聞くチーム間コミュニケーションのホンネというイベントを実施したので印象に残った話とか、運営面で工夫したことについて長文ですが振り返っておこうと思います。
イベントの中での印象深いトピックスについて
告知文の中で
Web系の企業の中では、会社に成長に伴い多様な価値感を持った人が集まってきたり、国・文化的な背景が異なる人が同僚というようなケースなど、多種多様な環境があるかと思っています。
そういう環境の中で
「ひとつのチームとして動いてくために日々どんな取り組みをされているか?」 「そもそもチームビルディングの考えはあるのか?」
といったテーマに触れる
ということを書いていたので、チームとして動くための工夫や取り組みみたいな所について、お2人にお話してもらいつつ、そこから派生する話題について話を広げたり、少し掘り下げたりという感じで進行をしていきました。
物理的な距離が遠くなることでのコミュニケーションの難しさ
チームメンバーが海外の方というのは、万人にあるわけではないですが、Web系の企業の人の場合に、何らかの事情でチームメンバーが物理的に離れている状態の中で仕事をする状態があるのかなと前から感じていたので、このテーマを取り上げてみました
自分自身の前職での経験(*1)もあるのですが、チームメンバーが海外の方という状況の中でのコミュニケーションというのはとても難しいかなと思ってます。
具体的にどういうことかというと、互いの「人となり」をよく知る機会がない状況の中でメール、チャット、という手段を使いながら仕事を進めていっても、テキストベースのやりとりは、どういう意図で書いてるのかという、行間がイマイチ読みづらいことが多々あったりしました。
ペパボもHerokuだけではなかった
今回登壇いただいたペパボの梅谷さん、Herokuの織田さんはそれぞれチームメンバーが物理的に離れてる環境で仕事をしてる経験があったのですが、参加いただいてる方の状況を聞いた所、参加された方の1/3位の方が、こういう環境で仕事をしてるとのことで、意外と多いなぁというのが個人的な印象です。
オンラインコミュニケーションの手段が整ってて、そういうのを利用する習慣があるWeb系企業の人ならではなのかもしれませんね。
「物理的な距離」をどう定義するか?
私の中では、物理的に離れたというのは、東京ー茨城とか、東京ー福岡とか、日本ー海外・・みたいな状況のことしか想定していませんでした。
ただこのテーマの話の中で梅谷さんが切り出してくれた話を聞いて、一見すると近そうだけど、実はそうでもないケースがあるっていうことに気づきました。
どういうことかというと、自分たちが係るサービスに関わる人達(カスタマーサポートの人なども含めて)がこれまではみんな近くにいた状態だったのが、同じビル内の違うフロアーに移動になったことにより、これまでのようなコミュニケーションスタイルではなくなったとのこと
私も、前職での仕事をしてて、当初は部署全体で5,6名程度だったのが、会社の成長とともに、倍以上に膨れ上がった時期がありましたが、振り返ると、梅谷さんが話していたようなことがあったように思います。
コミュニケーションが難しくなるからこそ意識されること
Herokuの織田さんの話の中で、直属の上司との定期的なコミュニケーションを取る機会として、1on1 という個別ミーティングが1周間に1回、1時間程度の時間をさいて、実施されてるというお話が出ました。
私も前職が外資系だったのと、組織の仕組みが大幅に変わって以降、上司が外国の方になるケースが出てきて以降、こういう1on1のミーティングの場があったので、外資系ならではと感じていた所、それに近いことを、Web系の企業にいる梅谷さんも意識してやっているというのを聞いて、ちょっとビックリしました。
ただ、梅谷さんの人となりを知ってるのと、少し前からリーダーに昇格になったからこそ、彼の中ではリーダーとしてどう振る舞うべきかという理想形を持ってて、そのために日頃何をするべきか意識して行動してるのだろうし、その1つとして、こういう1対1のミーティングの機会を定期的にメンバーと持つ姿勢につながってるのかなと、横で感心しながら聞いてました
文化の違い
後半の参加者からの質問の中で、「文化の違い」というキーワードが出ました。
織田さんのような外資系企業の場合における場合の文化は、イコール国民性という感じになるかと思うし、実際私もそういうニュアンスなのかなと思って、聞いていました。
一方で、日本企業における文化の違いという意味合いもあるのかなと、参加者からの追加質問で気付かされました。
同じチームの人達のこれまでの経歴の違いからくる文化の違い、つまり、それぞれの人がこれまの社会人生活を過ごしてきた中での、企業「文化」の違いからくる考え方の違いもあるし、Web系の企業の場合には、こういう所の文化の違いによって仕事上のコミュニケーションがなかなかうまくいかないこともあるののかなと気付かされました。
非公式な場のコミュニケーション
後半の参加者からの質問の中でランチタイムも一種のコミュニケーションの場として機能してると思うが、実際の所、ペパボ、Herokuではどうかという話が出て、これはこれで面白い視点だなと思って聞いてました
Herokuの織田さんは、基本的には常にみんな一緒にいるわけではないが、Heroku本社に行った場合には、ランチタイムでは、お互い交流するとのこと。
梅谷さんの方は、入社してかなりの年数経過してるが、ランチを一緒にすることはないとのこと。むしろ他部署の人とのランチに積極的に顔を出してるようです。
この話の展開で気になったことがあったので、「タバコ部屋での非公式なコミュニケーション」みたいなものがあると思うが、そういう場面が実際にあるのかどうかというのを私の方から聞いてみたところ、梅谷さん自身タバコ吸わないけど、そういう場には必要に応じて、顔を出してるそうです。
常にというわけではないみたいですが、例えば、会議中の相手の表情とかで、何か考えがありそうというような人がいた場合に、その人がタバコ部屋にいく素振りを見せたら、それとなくついていくみたいな時に行くそうで、こういう歩み寄れる姿勢というのは、個人的には見習いたいなぁと感じました
タバコ部屋でのコミュニケーションについては賛否両論ありますけどね^^;
運営面での工夫
気づいたら、今回で4回目のこのトークイベントですが、過去3回の運営と基本的には同じように実施しました。
ただ、毎回告知文に書いてるように、登壇する人や、参加者同士の交流を図ってもらいたいというのが根底にあるので、参加者をもう少し巻き込むために、トークセッションでの質疑応答の所を工夫してみました。
具体的には
- 受付段階で自己紹介カードを渡し、ご自身の職業を2軸(1つの軸は開発より or インフラエンジニア寄り。もう1つの軸は メンバー or マネージャー)のどのあたりになるか記載してもらった
- 30分ほどパネラーの話をしてもらって、ある程度メインテーマに関する話が出たら、参加者隣同士で、「受付段階でお渡しした自己紹介カードを使って、自己紹介しつつパネラーに聞いてみたいことを、話し合ってください」 と促す
- 話し合ってもらって質問したいことをポストイットに書いてもらって、それを回収
- ポストイットの質問で、パネラーが話しやすいものをピックアップして、それについて話し合ってもらう
という感じにしました。
この類のトークイベントで最後の方に、主催者/進行役から
「質問ある方いますか?」
とやっても、シーンってなって気まずい雰囲気になりがちですが、
- 元々の狙いの参加者同士の交流が促進出来る
- ワイガヤした雰囲気も作れる
- 質問内容がバラエティーに富んだものが出てくる
と、イイコトづくしだなと思いました。
これは、私のオリジナルではなく、先週やったビールのイベントでgumiの高柳さんが行っていたのを横で見てて、いいやり方だと思ったので早速チャレンジしてみました。
こんな感じで、色々な角度の質問が5分から10分程度の短い時間の中で多数出たので今後の運営ではこの要素をしっかり取り入れていこうと思ってます
最後になりましたが、事前に細かい打ち合わせとかをしないという無茶ぶりな状況の中で登壇いただいたペパボの梅谷さん、Herokuの織田さん、ならびに、毎回会場を利用させてもらってるコワーキングスペース茅場町 Co-Edoの田中さん、どうもありがとうございました!
(*1)もう10年以上前の話です
先週実施したトークイベントの振り返り
たまには仕事の話を。
当日、スピーカーをお願いしたid:interu さんがすでに「AWSを活用してる現場リーダーやCIOをお招きしたトークイベント」でパネルディスカッションをさせていただきました。というエントリ書かれてるので、当日の雰囲気などはそちらを見ていただくとして、今回イベントやって感じたことを適当にまとめておこうかと思います。
今回のイベント実施の背景
@ume3さんが、ちょっと前に仕事の役割に変化が生じ、それに関連して話を聴いてる中で
「リーダーとして仕事をするようになると、どうしてもこれまでと違った役割を期待されて技術的な所以外の仕事が増えるからそういう部分で葛藤が生じないかな」
という素朴な疑問が浮かび、似たような立場の人とか、かつてそういう経験をしたことがある人をお招きしたりすることで、何らかの発見が得られる場になるかと思って今回イベントを企画&運営しました。
どうせやるなら、みんなにとってWin-Win-Winになるようにする
1年ほど前にこんなエントリ書いた際に
社外の色々な経験を持った人に多数お会いして、オフライン⇔オンラインの交流を通じて、自社のビジネスに結びつけるというのを掲げてます。
ということを書いていました。
規模の大小はあれど、こまめにこういうことを継続して実施しており、自分の仕事柄というのもあるのかもしれませんが、
「Aさんの話を聞いてると、きっと似たような経験してきたBさんと共感できるポイントが結構あって、お互いをひきあわせることで、双方メリットになるんじゃないかな」
というある種の仲人的な発想が自然と浮かぶようになりました。
また、そういう場をセッティングするなら、しっかりとおもてなしが出来そうで、かつ、自分が行ってみたいと思ってるお店にすることで、自分も含めてWin-Win−Win な状態になるかなと思ってます。
年齢的に体力でどうこう出来るほど無理が効かないので、折角1つのことをやるならば、それに伴うリターンがなるべく多くなるように日々意識してて、そういう意識の現れの1つがこういうことなのかなぁとふと思いました
企画よりも運営重視
id:interu さんのエントリで
なるべく少人数で質問を交えながら話が進められるようにしたいという小山田さんのご意向もあって、ビールを片手にライトな感じで参加者の皆さん15名程度の方々とお話させていただきました。
と書いていただきましたが、ライトな感じの場になるように色々配慮しました。
具体的には
- 会場として、自分の会社を使わなかった。(どうしても場所柄堅い感じになるため)
- 最初に交流会を30分設けた
- 交流会の飲食物として、会話のタネとなるようなものを準備した
- 告知についても、今回のスピーカーの方たちの雰囲気を考慮して、過去うちの会社で実施したイベントの中で、特に親和性の有るものに参加していた人たちに個別にアプローチし、極力そちらからの参加者が中心になるようにした
という所かなと。
食事については、お腹が減る時間帯+参加人数が流動的という点考慮して、お気に入りのパン屋さんでジャガマヨ+大豆ハムのパンをピザサイズに作ってもらったものを予約して作ってもらってそれを運んで持ってきました
飲み物については、Co-Edoというコワーキングスペースで実施するので、お気に入りビールの1つであるCOEDOビールをネタとして準備しつつ、それ以外にスピーカーの人が好きそうなスコットランドのBrewDog Breweryという所が造ってるPunk IPAを持ってきました。
※ ポカリのステビアみたいな缶がBrewDog BreweryのPunk IPAというビール。こういうクラフトビールの缶やビンのデザインが個性的なのでそういうのも好きな要素の1つ
深く考えずに、ビールを適当に注文して、食べ物も宅配にすることももちろん出来るのですが、なんとなくそういう風にしてしまうと、イベント企画した側の手抜きみたいな所がどっかで参加して貰う人にも伝わるんじゃないかと自分では思ってます。
幸い、こういうイベントでは奇跡的に申し込んだ人、全員参加いただけたので当日の運営の細かい流れについて事前に色々考えておいてよかったなぁというのが率直な感想です
特にオチはないどうでもいいエントリになってしまったので、次はTitanium関連(特にACS)について書こうかなと。