脳は直感している

著者の方によると本能と直感の違いとして
本能→生まれもった行動パターンで、下等動物にもあるもの。例えば猿はヘビを非常に怖がり、「本能的に」避けるというような場合には本能的なものになるそうです
直感→個体ごとの経験や学習によって左右される総合的な判断。直感には本能も含まれる
ということだそうです。
脳というのは、自分で自覚していること以上にまわりの状況をリアルタイムに把握しているそうで、
森でヘビに出会った時、ヘビかどうかをきちんと認識する前に回れ右をして逃げるように、脳は私たちが気づかないところで状況をモニタリングして、場合によっては私たちが判断をくだす前に、私たちの行動を決定してしまう(P.103より)というようなことがあると思いますが、こういった重要なことを人間に知らせる時に警報装置のような役割として、脳の中の扁桃体と呼ばれる部分が機能するそうです。
この扁桃体からの警報装置が鳴ると非言語的なメッセージが伝わるけど、昔から日本語の中で「虫」に関連する比喩みたいなもので
- 虫が知らせる
- 虫が好かない
- 虫がいい
- 虫が据わる
という感じであると思いますが、
「虫」というものが自分の心のなかに存在するのだが、いわゆる「自分」とは違う、という意義の表れであろう。(P.40より)
こういう言い回しはたしかに感覚的な部分を意外に適切に表現しているのですね。
本書で展開されている直感力(=感覚的な判断力)については、著者の方はある程度鍛えることができ、7つの方法として
1.自分の五感を使って「知覚」することを、もっと心がける
2.自分が直感したことに、むやみに説明を求めない
3.直感に基づいて、迷わず「行動」を起こす
4.対戦型のスポーツで、瞬時の直感力と、雑念(ノイズ)の除去を学ぶ
5.脳を直接鍛える - TOT現象、モーツァルトの音楽、ジグソーパズル
6.好きなことだけをする時間を1日15分は持って、「リラックス」の仕方を覚える
7.内なる声に耳を傾ける習慣を持つ - 散歩、ゲシュタルト・セラピー、瞑想
ということを挙げていて、その中の散歩についてちょっと気になることが書かれていて
「散歩」するときは、音楽を聴いたりしないほうが好ましい。たしかに好きな音楽を聴くことはリラックス効果はあるが、なるべくなら内心に集中する妨げとなるような刺激は、避けるべきなのだ。(P.185より)とあり、毎朝2駅ほど歩いている時、元々は全く音楽を聴かずに歩いていたのですが、2ヶ月程前は音楽を聴きながら歩いていたのですが、なんかうまく言えないのですが、歩いていてもリフレッシュした感じが以前のように無いように感じていて、ここ2、3週間は以前のように、全く音楽を聴かなくなったのですが
「内なる声に耳を傾ける習慣」
を取り戻したっていう感じなのでしょうか。
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