本書のタイトルになっているランニングで頭がよくなるという根拠ですが、今まで書いた通りシナプスの活動をよくするというのが頭がよくなる上で大切なようですが、1982年にテーネンという学者が発見したBDNFという物質で、これが脳の中の神経細胞が成長し、新たなシナプスを作るということが明らかになったみたいです。
ちなみに、ここでいう頭のよいというのは単に記憶力がよいというようなことではなく、
人は計画を立てたり問題を解いたり、考えたりするという高度な知的活動をしている。そのような知的活動の基礎になる重要な能力がワーキングメモリーだ。それを担う前頭連合野の機能がなければ、私たちの日常生活は成り立たない。(P.154より)ということのようで、人間の知的生産活動において、脳の前頭連合野の領域がきちんと活動しているかどうかというのが重要なようで、ランニングによって、前頭連合野の動きが活発になるというのが結論のようです。
脳細胞は一定の年齢を超えると、その後は徐々に死滅するというのが定説っぽいですが、脳細胞の数が多いからといって、頭がいいとは限らないそうで、それよりも重要なのは脳の中にあるシナプス回路がよりよく動く状態にあることが大切なようで
五感で何かを感じたり記憶したりする知的活動、体を動かす肉体運動など、すべてはシナプス回路の網の目の刺激伝達の結果なのだ。(P.75より)ということからも、いかにしてこのシナプスの動きを良くするかというのがむしろ、重要なようで、これは以前に読んだ脳関係の本でもたしか書かれていたように思っていてこのエントリの方法記憶とかにちょっと関連がありそう。
最近の脳の研究の結果によると、例えば脳梗塞で手足の麻痺が残った場合に、リハビリで脳の中でどのような変化が生じているのかもわかるそうだし、逆にいえば体のある部分を動かさないとそこを動かす脳の領域が縮小してしまうということもあるみたいです。
ブログ書きながらふと思ったのが、最近の子供の運動能力の低下という記事がたまに出ると思いますが、こういう脳の活動という部分と照らし合わせて考えると、一定の決まりきったパターンの行動しか行っていない結果、脳の一部の領域を除き、基本的にはあまりシナプスの動きがよくない状況になっているためなのかなぁと思います。
自分たちが子供の時はテレビゲームが流行りだす前後くらいなので、近所のマンションとかでみんなで集まってどろけい(人によってはけいどろかな?)とかの遊びをその場その場のメンツに応じて色々とルール変更したりしながら遊んだ記憶があるけど、自分たちでルール作りながら実際にカラダを動かすという行動がシナプスの動きを良くしていたのでしょうかね。
走れば確実に頭がよくなるわけではないと思いますが、もしかしたらそんな効果が副次的に得られるかもしれないと思いながら走ることで長続きするかもしれないのと、何よりも走ったあとに、得られる「爽快感」は気分的にスッキリしてなんかリフレッシュされた感じになるので、そういう部分だけでもランニングを続けてもよいのかもしれないですね。