最近、チョコレートの真実という中々読み応えがある本を読んでいて、ちょっと口直しというか、軽いのが読みたくなったのもあり、タイトルに引かれて牛丼一杯の儲けは9円―「利益」と「仕入れ」の仁義なき経済学買って読みました。
今の時代に、”対前年度売上120%”みたいな一見すると景気の良さそうなことをうたっている会社があったとしても
・仕入れコストが実は高くついていないか?
・仕入れコストは変わっていなくても、飲食店のような場合だと商品を提供するまでの時間や、商品を片付ける部分までも含めた、全体のオペレーションコストが煩雑だったりして、時間のロスをしていないか?
という観点で見ると、粗利の割りに営業利益や経常利益はたいしたことがないという会社もあると思うし、そういう会社の人にとって
「そもそも儲かるというのはどういうこと」
ということについて著者の本業であるバイヤーという視点から、ある種の問題提起をしているのが本書のポイントかと思います。
バイヤーという人の感覚が伺い知れた本なのですが、自分の仕事はある側面では、バイヤー的な感覚が必要だと前から感じており、
売り買いは知的ゲームです。失敗するも成功するも、ゲームをどれだけ把握しているかにかかっています。商品を知らないのは、ルールすら知らないようなものなのです。という箇所は、自分も似たようなことを考えていたので共感できました。
牛丼一杯の儲けは9円 P.137より
というのも、いまの自分の仕事って、求職者の信頼をどれだけ得られるかがまずは大切であり、そのために、上記引用箇所でいう所の”商品”に該当するのが、”業界知識”であったり”ITに関する知識”ですが、これらを知らないというのはルールを知らないと等しいことかなぁと思っているからです。
ルールをまずは知った上で、その上で
交渉の最後では、あえて引いて、相手に考える時間を与えるのような多少駆け引き的なことも、意図しているわけでないですが、結構普段からやってしまっていて、逆にこちらとしては相手のことを考えての結果として、上記のようなあえて引くという行動をしたほうが、結果的にはプラスになることが多いと思います。
牛丼一杯の儲けは9円 P.132より
そうそう、肝心のこの本のタイトルにある牛丼の儲けだったり、(たぶんドトールのような)カフェのコーヒーの儲けの構造についてもあれこれ書かれていて、雑学満載でそういう好奇心も満たしてくれるので、お得感があって、比較的カジュアルに読めてオススメですよ。
おすすめ度の平均:
娘に読ませます
タイトルに惹かれました〜
女性が読んでおきたい書