40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史



以前ブログで取り上げたけど、人類は食糧を求めて移動する生活をしていたが、植物を食糧にしてから定住を始めその時にドングリを主食にしていた時代があったというのは知っていたけど、ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史は、オーク&ドングリが人間の文明の発展に大きく貢献してきたということを本書で展開されていて、とてもロマンに溢れてスケールも大きな話でちょっとおおげさかもしれないけど、なんだかそういう空想を抱いてしまうくらいものすごく興味深い本でした

例えばドングリを食べ物として捉えたときに、調理方法も地域によって様々存在し、それが食の文化の発展につながり、また、オークの木を木材として活用する事を発見してからは、多様な建築方法を腕のたつ大工さんんによって創造されて、著者曰く
中世ヨーロッパのもっとも偉大な芸術作品は絵画でも彫刻でも大聖堂でもない。660トンのオーク材、ウェストミンタンホールの木骨造りの屋根である(P.188より)
というように、建築物が芸術的なモノにまで昇華していく。

さらに、オーク材として今でもワイン作りに欠かせない樽は、数百キロの液体、固体を中に漏れることなく収納出来、横にすれば、転がして運ぶ事が出来て、立てれば5個は積み上げられということで、数学の世界で有名なケプラーさんが、樽の中身について正確に計測する事を考えたりと数学の発展の影にオークで出来た樽の存在というものがあったり(←これはちょっと言い過ぎだね)ということで、
オークそのものの研究は歴史とデザインと社会を学ぶ場でもある(P.301より)
という著者の言葉通りかなぁと思います。

ここ数年読んだ本の中で一番ワクワクしたし、「あーもう少しで読み終わっちゃうー」という読み終えるのがもったいないという気分を久しぶりに味わったように思います。


ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史



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おすすめ度の平均: 4.5

4 狩猟採集と農耕牧畜を結ぶドングリ
5エッフェル塔とオーク、どちらか一方を選ばなければならないとすれば、あなたはどちらを選びますか」