昨日とある育児関連のDVDを見て、お風呂の入れ方の勉強をしたんだけどDVDの作成元/スポンサーの影響からか、赤ちゃん用の石鹸をやたらと使っていたのですが傷はぜったい消毒するなという本を読み終えていた自分としては、この洗い方にものすごく疑問というか抵抗を感じたのですが、その理由っていうのは
石油や機械油などは石鹸でなければ落ちないが、それ以外の皮膚の汚れに石鹸はそもそも不要なのである。(むしろ界面活性剤で損傷されて皮膚が傷つきその修復のために皮膚の新陳代謝が過剰に起こりマイナス要因になる)
という一節が上記本文中に記載があったから。
皮膚の汚れを石鹸を使ってという行為は、自分たちの感覚からすると、皮膚の特定のバイ菌にだけ働きかけているという感覚になると思うのですが、そんな都合の良いモノはこの世にはあるわけでもなく場合によってはむしろ逆効果になるっていうことも本文中でいくつか事例として書かれていました。
なんで今までずっとこういうやり方がされてきたのかというと、とっても単純で専門家の意見をそのまま疑いもせず鵜呑みにしてきたから。
じゃぁー、その専門家を頼りにし過ぎることが妥当かというと、なんとも言えない気がします。
新しいパラダイムを素人は受け入れやすく、専門家は専門家としての自分の地位を守るために賢明になって拒否するわけだ。
なんていう一文があったのですが、ここでいうパラダイムというのは、根拠はないのにその時代の誰もが信じていることと著者は定義しているのですが、特に経験を積んだ立派な人であればこれまでのパラダイム(「病原菌(細菌)は人類の敵」というパスツールさん考え)がベースになっているだろうし、それを否定されそうな新しい試みは、そもそも自分の立場を根本から否定することにもつながりそうだから、大抵はNoを突きつけそうだもんね。
私は専門家全員を否定するつもりは全く無く、実際にこの本の著者は皮膚科の専門家ですが、この人の言っていることは信用出来ると思ったのですが、その一番の原因は
治療上のノウハウをすべて公開すること。情報は何一つ隠さないこと
治療上の失敗も全て公開し、失敗への対処法を公開する事
これらを原則としたのは、ピアノサイトの管理で得た経験がもとになっている。
という著者のスタンスです。
専門家という立場にある人は、これまでの自分の経験値が少なくともその領域においては豊富に持っているはずだから成功事例だけではなく、失敗事例もあるはずだし、それを包み隠さず公開することでその領域は発展していくわけで、これは何も病気の治療に限らず他の分野(特にビジネスの分野)においても同様かと思っています。
最後になりましたが、傷はぜったい消毒するなというのがこの本のタイトルになってますが、こういう場合の治療法について具体的にどんなものがあるかというのは、本書、もしくは著者のWebサイトを読んでもらうとこれまでの常識っていうのがいったい何だったんだろうと考えさせられるので、ぜひ読んでみてください!
光文社
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