40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

老朽マンションの奇跡

これまでは、学校卒業→就職→一定の年齢に達したら結婚→しばらくして子供が生まれて・・・というライフスタイルが一般的でそれを支える各種制度が整えられてきたのが、ここ最近というかバブル崩壊によって学校卒業→就職というステップを(実際自分もそうだったけど)みんなが必ずしも踏める状況でなくなってきており、なんていうか色々な矛盾やら問題点というのが出てきているように感じています。

なんていうか、これまでは大きい会社に勤められれば、その後はレールに乗っかればまぁなんとか生き延びられたのかもしれないけど、自分の年代含めた後の世代の人にはこういう感覚というのはあまりないんじゃないかなぁーって気がします。(よく言われるように人間の寿命よりも会社の寿命の方が短いわけですしね)

こんな現状の時代背景を考えた場合に、30年以上のローンを組んで紋切り型の間取りのマンションを買ってというのは少なくとも今の自分にとってはなんか現実的な感じが全くせず、ちょっと違和感のようなものを感じます。(とはいえ、将来のライフスタイルの変化とか考え方の変化によってこの考えは変わることは十分あるので、そのために資産を少しづつ蓄えているけどね)

老朽マンションの奇跡という本を読み終えて自然とこういう考えが頭の中にフッーと湧いて来ました。

この本の最初の頁で

1950年代の、公団公社によるニュータウン開発に端を発した民間のディベロッパーや、住宅メーカの大量供給は止まることを知らず住宅の数が世帯数を超えた今もなお、住宅を立て続けているー

ということが書かれていたのですが、多数派の意見として、中古よりは新築というのが根強くあるそうで、そんな声を反映させてなのか、どんどん新しい住宅が出来上がり、古い物件の方はというと(古くなればなるほど)リフォームの業者泣かせな所があるらしく、実際蓋を空けてみないとわからないことだらけのようなので、臭い物には蓋をするじゃないけど、放置されてまっさらな状態から組み上げていったほうが楽だから新築をバンバン立ててとなるのはある種仕方がないかもしれません。

とはいえ、少なくとも過去に建築された住宅の中にはしっかりと手をいれればまだまだ使えるモノがあり、この本でも吉祥寺で500万円のマンションを購入し、人の縁で紹介されたリフォーム屋さんが、これぞTHE職人という考えの社長がいる所で、これまで古い公団公社を専門にずっと手がけてきたノウハウがあるそうから、劇的ビフォーアフター並にこのマンションが生まれ変わります。

在日外国人という第三者的立場から興味深い話をした。「僕が来日した30年前の1970年代、日本人労働者は全てのジャンルにおいて優秀だった。塗装屋、電気工事士、ガス屋、大工など、作業は丁寧な上、経験豊かでどんな質問にもきちんと答えてくれた。ところが、最近ではどこに頼んでも面倒な仕事は下請けに放り投げ、楽で稼ぎの良い仕事だけを取ろうとする。(95ページより)

というのは、やっぱりどこかおかしい感じがするし、働き方を含めてライフスタイルが多種多様になっていく時代に合う住宅というのが世の中にもっと普及すればなぁーと感じました

※おまけ
この本を紹介されている現在中古マンションをリフォーム中ueBLOG | 中古マンションを購入してリフォームする日記2 - リフォーム会社との関係というブログを見つけたのでしばらくこのブログもチェックしてみよっかなぁ。

老朽マンションの奇跡
井形 慶子
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 自宅購入前に読みたかった
3 参考になりましたが中古マンションの購入は難しいとおもいました。
5 住宅はこう買うものだな、と思い知らせられる
5 初めて投稿します!
5 蘇える昭和のマンションが圧巻