みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方
学芸出版社
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まず、この本を手にとって読んでみた理由はCASA BRUTUSの「リノベ vs. 小さな家」でこの本が紹介されていたっていうのがきっかけではあるけど、別の理由がもう1つ。
子どもが生まれたこともあり、賃貸マンション暮らしから脱却するかもしれないなぁーというのはうっすらと考えていて、その時の購入の選択肢として、新築マンションだけではなく、中古というのも視野に入れておいたほうがいいかなと思っているからです。
思いつくかぎりあげると
- あと2,3年もすれば40歳になるので、長期ローンを組むのがたぶん無理というか正直これから20年とか30年ローン組むというのが現実的とは思えない。(多少10年以上のローンはだめですこのエントリに影響されているのはあるかもしれない)
- 新築は購入して翌日から中古になってその後あれよあれよと資産価値が下がる一方、中古物件はすでに値下がりしているから購入した時点よりもさらに下がる幅が少ない
- 新築物件が世の中これでもかと出てくる一方で、既存の中古物件でも探し方次第では良いものがあるのかもしれないから
こんなことを考えつつ、この本を読みました。
この本の概要は?(どのような本か?)
タイトルに「みんなのリノベーション 中古住宅の見方、買い方、暮らし方」と書かれているように、リノベーションを前提に中古物件のどういう部分に気をつけるべきかというのを、購入段階の物件探しから、ローン組む時や購入後のリノベーションの時の注意点など全体を網羅して記載されているように感じました。
ちょっと難点だったのは、著者の方が大阪で活躍されているために、本書の中で出てくる物件のエリアが関西中心という所だけど、まぁそれは些細なことなんで、リノーベーションを考えている人の参考書としても良い本ですし、自分のように、新築以外の物件というのを視野にマンション選びというのを考えているような人に対して「中古物件+リノベーションというのが自分に合っているかどうか」という判断を下す上で参考になるように思います。
その本を読んで印象に残ったところは?
以前とりあげた老朽マンションの奇跡で、プロは、競売物件の情報から、その地域のおおまかな価格を知るっていうのを知っていたのですが、この本にも近いことが書かれていました。
世の中に売りに出されている物件の7割ほどは、レインズという国が主導のサイトに掲載されているそうです。
大手業者というのはこのレインズに掲載される前段階の「そろそろこれが売りに出されそう」というのを持っているそうで、そういう意味ではやっぱり大手が情報量というのは圧倒的なのかもしれませんが、扱う情報量が多すぎて対応が行き届かない場合もあり、特定の地域でよりきめ細かい情報となると、やっぱり地元の業者の方が良いとのこと。
今住んでいる地域はとても気に入っているから、もしも自分がリノベーション前提に中古物件を探す場合には、上記のレインズのような、一次情報に近い所で、おおまかな相場価格を知っておくだけでも参考になるし
「現実的に中古物件を購入して住もうと思えるかどうか」
という考えがもてそうな感じがします。
※どうでもいいけど自分が働いている人材紹介・派遣業界も同じような構図になっているので、マッチング系のビジネスモデルの所はどこも似たようなもんだなぁーと変な所で納得しました。
他の人におすすめのポイントは?
リノベーションするうえでのポイントは細かく色々記載ありましたが、結局のところ、中古物件を一種の「ハコ」とみなせるかがポイントなんでしょうね。中古なんで、物件を見に行ったときにもの凄く汚いとか、狭く感じるかもしれないけど、大きなハコとして考えた場合に、そのハコが魅力的に見えれば、その人にとって魅力的だし、反対の場合もあるでしょうしね。
細かい所でいえば、物件のチェックポイントという記述が58ページにあったのでこれが参考になると思います。
「窓の少ない住戸」「住戸の真中にPSがある物件」「壁式構造のマンション」はできれば避けておきたいですね。リノベーションというのは基本的には大体の問題がどうにか解決できるものですが、こういう物件は避けるに越したことはない。
とのことで、これらの共通する部分っていうのは、マンション本体に何らかの影響を及ぼすような改修というのは不可っていうこと。
PSというのは、パイプスペースの略で、マンションの配管なんかを束ねているようなスペースのようですが、配管の場所って、その部屋だけの話ではなく、上下につながっているわけだから、まぁー言われてみれば当たり前だし、壁が構造体になっている場合だと、壁を取り払うことが出来ないし、窓を増やすっていうのは絶対無理だから、こういう観点で物件をさがせばいいというのは割と参考になるのではないでしょうか。