情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴
こういうニュースがあって、なんだかちょっとタイムリーな感じだけど、情報と国家という本を今日読み終えた。
CIA 失敗の研究と内容的に重複しそうな箇所もあったので、全部が全部新鮮というわけじゃなかったけど、興味深いと思ったのが、弾道ミサイルの説明
弾道ミサイルに必要なものとして、設計図、核弾頭、高度な工業技術というものが挙げられていた。ミサイル設計に関しては、自国で設計できなかったとしても、他国からなんらかの経路で入手出来る可能性があるけど、残りの2つの要素についてはそうは簡単にはいかないらしい。
核弾頭については、机上の理論ではなく、実際の実験で、「そもそも本当に爆発するの?」かどうかを確認する必要があるそうで、出来れば複数回の実験を重ねないと実用的ではないとのこと。
今までは「もしかしたらそういう能力があるかも」と懸念されていたことが、現実としてわかったから、そういう意味では今回のことについては、確かに一大事
残りの、高度な工業技術というのは、実際に設計図通りのモノが作れるかどうかというような所で、その辺りの正確な情報は、実際に潜入しないと本当に正確な情報は掴めないらしいけど、専門家だと、ある程度公開されている情報からその国の工業技術力がわかるらしい。
読んでいて、なるほどと思ったのが、いくら長距離飛ぶミサイルを開発したからといっても、目標を正確にとらえるためのシステムが必要になるそうで、半数必中界(命中する精度のことで、例えば半数必中界900mという場合に半径900mの円の中に50%の確率で命中すること)
っていうのが、かなり重要な要素になりそう。
ガンダムのようなTVアニメの影響かもしれないけど、ミサイルは、撃てば必ず命中するものという変な思い込みがあったけど、この本読んでみて、飛ばしてから後の技術でも色々な要素が必要らしく、そもそもミサイルの発射台(詳しくはWikipediaを)も重要らしいから、今回のことだけをことさらに大げさにとらえないで、冷静に判断したほうがよいのかも。
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