かなり分量があったのですが、やっとコンテナ物語読み終えました。
題名通り、コンテナについての物語なのですが、正確にいうならばコンテナというものを単なるハコにとどめず、
「輸送単位の共通化」
「荷主から荷物の届け先まで、船、鉄道、トラックなど様々な輸送手段がシームレスに連携する」
という基本コンセプトのもと、システムとして確率させたマルコム・マクリーンという先見性のある人物の物語っていう感じです。
そもそも、マルコム・マクリーンが海運業を船の運航ではなく貨物を運ぶ産業と理解したところから、彼とコンテナ、そして、それらをとりまく抵抗勢力との歴史が繰り広げられてきました。
抵抗勢力っていうのは、たとえば従来は荷物の積み降ろしは、人力を頼っていたけど、コンテナ化が進むとともに、当然人手はいままでのように不要になり、荷物の積み降ろしに関わっていた雇用が失われるため、労働組合からは反発がでたりといったような所。
あと、コンテナの規格をめぐっても利害関係者同士の調整が必要になったり、鉄道、船、トラックそれぞれの運搬手段同士で、運賃の競争によって、対立したりと、ちょっとどっかの国の政治の問題のようなこともあって、いまのようなコンテナをつかった輸送手段の確率までの紆余曲折が知れる本です。
ちなみに、今のようなコンテナをつかったシステムを歓迎する人が多く、荷物の送り主や、受け手からすると、便利&低コストでその恩恵を受けているので、当然といえば当然ですが、一方で税関や公安関係者といった、歓迎しない人達も存在していて、その背景として、検査しきれないほどの物量があるため、それを隠れ蓑として、不正品物(テロ用の爆弾、麻薬とか)に利用されるということもあるそうです。
これから海運業界に就職する人とか、物流の仕組みとかを知りたいっていう人なんかに、オススメかも。
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