校長先生になろう!
タイトルは、校長先生になろう! ですが、実際読んでみると、校長先生という役割にとどまらず、地域のヒト、モノ、カネをうまく駆使して、地域力を向上させた結果の話というように感じました。
本書でも何度か出てきたキーワードとして、ナナメの関係というのを上げているのですが、地域社会が存在していた頃というのは、近所のオジサンやお兄さんやお姉さんなどの直接の利害関係がない人達との関わりをタテの関係でも、ヨコの関係でもない、ナナメの関係として、こういう関係をもつことで、子供がオトナ化していったが、今は、地域社会が崩壊してしまったために、こういうオトナ化する仮定がほとんどなくなってしまい、豊かな人間関係が築けなくなっているのではという仮説を立てて、学校を核とした地域社会の再生について試みてきたことについて書かれていました。
結構色々な所でとりあげられている「よのなか科」で実際にどのようなことをやってきたのかも書かれているのですが、そのコンテンツの土台にある考えにあるのが、世の中を生きていくための力を、身につけさせようとすることなのかなぁと思い、本書で、著者の方も
私は、成熟社会を迎えた日本では、成長社会の悪弊とも言えるパターン認識は、むしろ邪魔になると考えている。ということを書かれている通り、正解となるやり方を身につけて、記憶しておき、瞬時にパターン認識して処理するという情報処理力とは別のチカラである、この情報編集力は、行ってみれば考えるチカラが大切で、こういうものを養わせるために、「よのなか科」を実践されたように思います。
世界を自分の頭でとらえ直し、みずからの人生観で生きるためには、前述したように、その事象とつながっている新しい関係性に気づくチカラ、すなわち「情報編集力」をつけることが肝要だ。(P.243より)
これから子供を学校に入れようとする人だけではなく、ちょっとしたビジネス書っぽくも感じられたので、わりとカジュアルな感じのビジネス書という感じでも読めますよ。
おすすめ度の平均:
難しいけど、意外と簡単かも
さすが実務者!
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