「ウナギ」というタイトルがやたらと目立っていて、前から気になっていたので、読んだのですが、この本で取り上げられていることは言われてみて初めて気づかされることが多く、色々な問題を投げかけているように感じました
ウナギの生態については、全容が解明されているわけではなく、地球上の海のどの辺りが産卵場所&産卵時期が、いまだよくわかっていないというのがちょっとビックリでした。
(※ウナギの養殖の技術はかなり進んでいるそうですが、この産卵場所がよくわかっていないということは、卵からふかさせるということを人工的にやっているわけではないために、養殖をする元となる稚魚はどこかから入手して、はじめて可能となっているみたいです。)
遡上を遮るダムなどの人工物の存在、川自体の汚染などウナギが住む場所が失われている...といった様々な要因が重なって、ウナギ自体は年々減少傾向にあるそうで、これは日本に限らず、欧州でも日本と同等か、国によってはそれ以上に、漁獲量が減少しているそうで、この勢いだと絶滅の危機にあるそうです。
もちろん、上記で書いてきたことは、大きな問題だと思いますが、それら以上に一番の問題かなぁと思ったのが、
「ウナギでさえあればなんでもいい、どこのものでもいい」などという姿勢で、資源管理やウナギの保全に無頓着なまま毎年、大量のウナギを食べつづけていたら、いつの日か世界中の人々から日本人は非難を受けることになりかねない。ということに、自分たちが気づいていない所なのでしょうね。
ウナギ—地球環境を語る魚 P.131より
海洋資源に限らず、石油に代表されるようなエネルギー資源も含めて、日本は世界でうまく立ち回らないといつか手痛いしっぺがえしを受けるのでしょうかね....
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最大消費国の責務
ここがすごかった!ウナギの豆知識!!
このままじゃ、ウナギは絶滅だ!