非エンジニアな人におくるJavaScriptの基礎:(5)ファイル分割のためのCommonJSのお話
はじめに
例えば、Ti.UI.LableのようなUIを複数利用する場合、それぞれに、幅、高さ、色、位置という値を適宜設定する必要があるため、それなりの量のソースコードになってきます。
var win, label1, label2, label3 win2; win = Ti.UI.createWindow({ title:"Window", backgroundColor:'#fff' }); label1 =Ti.UI.createLabel({ color:'#999', text:'I am Label 1', font:{fontSize:20,fontFamily:'Helvetica Neue'}, textAlign:'center', top:0, left:5, width:Ti.UI.FULL }); label2 =Ti.UI.createLabel({ color:'#666', text:'I am Label 2', font:{fontSize:20,fontFamily:'Helvetica Neue'}, textAlign:'center', top:50, left:5, width:Ti.UI.FULL }); label3 =Ti.UI.createLabel({ color:'#333', text:'I am Label 3', font:{fontSize:20,fontFamily:'Helvetica Neue'}, textAlign:'center', top:100, left:5, width:Ti.UI.FULL }); win.add(label1); win.add(label2); win.add(label3); win2 = Ti.UI.createWindow({ //省略 }); function createSomething(){ //省略 } function createSomething1(){ //省略 } function getSomething(){ //省略 }
app.js にソースコードすべてを記述していくと、どこで、何の処理をしてるのかが頭のなかで把握しづらくなってきてしまいます。
Titanium MobileでのJavaScriptでは、開発しやすい形にファイル分割して開発するモジュール化の仕組みが標準的に備わってます。
モジュール化の仕組みを使うことでソースコードも管理しやすくなるためその方法について紹介します。
Titanium MobileでのJavaScript開発でのモジュール化の方法
CommonJSという仕様に従った書き方をすることで、開発しやすい形にファイル分割して開発することができます。
なお、CommonJSというのが何かというのは、ryugoo_さんが書かれてる小さな Titanium Mobile の読み物の開発スタイル文章を引用します
CommonJS Modules
Titanium は CommonJS Modules の規格を元に実装されています。 Web ブラウザで動作させる JavaScript はファイル単位でプログラムコードを分割しますが、 Titanium では exports (module) と require という命令を使ってもう少し賢くプログラムコードを分割する手法が提供されています。
なお、CommonJSに準拠した書き方は、Titanium Mobile固有というわけではなく、サーバサイドのJavaScript開発のNode.jsでも採用されています。
CommonJSスタイルの書き方の解説
具体的なサンプルを取り上げながらCommonJSスタイルの書き方について解説していきます。
非エンジニアな人におくるJavaScriptの基礎:(1)関数編でUI要素を生成する部分を関数として定義しましたが、これをベースにしてui.jsという別のファイルに分割してみようと思います
プロジェクトの構成
Resources直下に、ui.jsというファイルを新規に作成します。作成後は以下の様なフォルダ構成になるかと思います。
├── CHANGELOG.txt ├── LICENSE ├── LICENSE.txt ├── README ├── Resources │ ├── KS_nav_ui.png │ ├── KS_nav_views.png │ ├── app.js │ ├── iphone │ └── ui.js ├── build │ └── iphone ├── manifest └── tiapp.xml
ui.js の中身
ui.js を以下のように記述することで、UI要素を生成する箇所だけをapp.jsから切り離すことが出来ます。
exports.createTabElement = function(titleNumber){ var win, label, tab; win = Titanium.UI.createWindow({ title:"Tab" + titleNumber, backgroundColor:'#fff' }); label = Titanium.UI.createLabel({ color:'#999', text:'I am Window' + titleNumber, font:{fontSize:20,fontFamily:'Helvetica Neue'}, textAlign:'center', width:'auto' }); win.add(label); tab = Titanium.UI.createTab({ icon:'KS_nav_views.png', title:"Tab" + titleNumber, window:win }); return tab; };
app.js を編集する
UI要素を生成する部分はui.jsにて行うようにしたことでapp.jsの方を編集する必要が出てきます。
具体的には
- app.js内で処理していたUI要素を生成する部分のコードは削除
- ui.jsを読み込みこちらの関数を利用してUI要素を生成する
という流れになります。
編集した結果以下の様なコードになります。
var tabGroup, tab1, tab2, ui; Titanium.UI.setBackgroundColor('#000'); ui = require('ui'); tabGroup = Titanium.UI.createTabGroup(); tab1 = ui.createTabElement('1!!!'); tab2 = ui.createTabElement('2!!!'); tabGroup.addTab(tab1); tabGroup.addTab(tab2); tabGroup.open();
ソースコードの解説
ui.jsとapp.jsの対応関係を絵にしてみました
- ui.jsの exportsというオブジェクトに、app.jsから呼び出したい関数の名前(createTabElement )をつけてあげます。このようにすることでapp.js内では、xx.createTabElement('1!!!')という形でui.jsで定義した機能を利用することが出来ます。
- app.jsからui.jsを読み込む時には、require()という関数を利用して任意の変数に格納します。(この場合にはuiという変数に格納してます)。なおui.jsの拡張子のjsを取って require('ui')とします。
最後に
JavaScriptの基礎のお話は今回ので一旦終了します。次からは、個人的にAlloyをつかいはじめているので、Classic環境からAlloy移行に関する話題を中心に書いていこうかなと思ってます