たしか1ヶ月位前に新宿のブックファーストで、時間潰すためにちょっと立ち読みしててふと気になった本でその場で図書館の蔵書しらべたら予約している人もいないので、すぐに読んで書評まとめていたけど、なぜかブログにアップしてなかった・・・
まぁ今日書きたいブログのネタがなかったので、その代わりにアップしときます
自分が大学卒業する1995年頃は、俗に言う就職氷河期の走りのころで、結果的に自分は就職せずにフリーターになったけど、当時の感覚として、大学→会社に就職というのが、自分の中で腑に落ちないように感じていたのも要因かと思っています。
腑に落ちないっていう理由だけで就職しないというのは甘いと言われれば、そうかもしれないし、それに対しては否定も肯定もするつもりもないけど、1つこの本を読み終えて感じたのは、この本で何度もキーワード的に出てくる「場」というのを見いだせなくなった人(特に男性)に対してとてもツライ社会なのかなぁーと思います。
本書を書かれた方は、アメリカの女性の方で、長年日本の研究されており、専門はジェンダー論ということなので本来ならばこういう内容の本で日本の女性に焦点をあてそうな気もするけど、次の一節でなぜ日本の男性をテーマに書かれていたのがとっても納得いった。
この2,30年で、日本の若い女性の「人生のコース」の選択肢は(いろいろ問題はあるとしても)大きく広がった。結婚して子供をつくり、仕事を辞めて「家庭に入る」という選択肢もあるし、(かなり苦労を強いられるのがほとんどだが)家庭と仕事のバランスを取りながら働き続けるという選択肢もある。一方若い男性の前には、ほぼ一本の道しか開けていない。結婚して、子供をつくり、ひたすら働き続ける以外の道はほとんどない。求められるのは、家庭の生活を支え、会社に貢献するために身を粉にして働くこと。
これまでの自分の仕事を通じて、色々な方のキャリアカウンセリングしているけど、こういう相談をするパターンというのは、やはり女性の方が多いです(注)これは自分&自分の会社のことなので一般的にあてはまるかどうかは不明
この背景にあるのも、女性のほうが、上記のように色々な苦労があった反面、働くことを含めたキャリア観が多様である一方、男性は人生の中において働くことに対する比重が大きすぎるからか、相談内容がかなり画一的なのかなぁーとこの本を読みながらふと感じました。
そうなると、この本で取り上げているロストジェネレーション世代や、それに続く世代の男性には、学校を卒業した後の「場」として就職先が見つからない場合はもちろんのこと、就職出来たとしても必ずしもバラ色の職場であるとは限らないケースもあったりするわけなので、会社という「場」から外れた場合に、自分の存在価値というのを見いだせなく可能性は同世代の女性と比べても高いんじゃないかー
またこれはロストジェネレーション世代に限らず、自分の世代含めた上の世代でも何らかの事情(特に介護)で、結婚し子供をつくりひたすら働き続けるというこれまでの王道パターンから外れた男性にとって、自分の「場」を失うことで、先行き不安に感じるケースっていうのも十分あると思っています。
そのため、男性としても、この数十年の間に女性が苦労して築いてきた多様な働き方とかその背景にあるキャリア観というのを男性も身につける時に来ているんじゃないかと思います。
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説得力はあると思うが
外国人ならではの分析か
外からの視線に蒙を啓かれる
大変感動しました。ありがとうございました。