フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
今年始まったばっかりでナンだけど、今年一番の本かも!って思いました。
もちろんこのフリーについては否定的な意見を持っている人もいますが、色々な観点で意見が出てくるというのはそれだけの問題提起をしているからだと思っているのでそういう意味でもその影響力の大きさっていうのは今のところかなりのものかと思います。
本書のあらすじ
300ページ超の内容で正直まとまりに欠ける部分があるけれど、内容はというとこんな感じです。
これまで(〜20世紀)も、無料というキーワードのもとビジネスが展開されてきたことはあったが「もう1個購入したら無料」というように、実質は1つあたりの金額単に半額になっているだけのマーケティング的な意味合いが強いものだった。
これに対してこれから(21世紀)は、特にデジタルなモノが定着しつつある現代では、デジタル情報を配布するためのコストというのは限りなくゼロに近いため無料でモノ・サービスを提供するビジネスというのが出ても不思議なことでもなく、実際そういうものが出つつあり、1つのキーワードとしてフリーミアムという「フリー+プレミアム」という2つの言葉を組み合わせた造語がポイントでそのような形態をとりつつあるビジネスを多数紹介しています。
フリーミアムモデルの例
モノ・サービスを購入するときに色々な情報を比較検討してから購入する事が多くなっていると思いますが、この購入しようとする人というのを仮に
- 時間的に余裕がある
- 比較検討するその仮定を楽しむ/楽しめる人
- 比較検討に投資するほど時間的余裕がない人
の3パターンに分類して考えてみます。
提供するモノ・サービスはどんな人であっても同じものを無料で提供して最初の1,2のパターンの人は、自分の時間を使って無料(フリー)で享受できるが、3のパターンの人に対しては有料で提供するということも成り立つと思うし、実際このパターンなのが、主婦(主夫?)の方のに欠かせない存在と思われるレシピ検索のクックパッド
有料会員になると、人気順にレシピが表示される機能があるそうですが、この前、社内でフリーミアムの話をしたときに同僚の主婦の方が
「じっくりレシピ探している時間的余裕がないから、人気順でチャチャっとチェックして作れば大抵ハズレもないし、楽ちん!」
っていうことを話していました。
クックパッドの有料会員も月300円未満ということで、会員になろうとする人への心理的な抵抗感も少ない料金設定かと思いますしクックパッドの収益をささえる1つのサービスですしね。
自分の仕事は果たしてフリーミアムモデルが適用出来るのか?
無料といった場合に単にお金の部分だけを取り上げるのではなく、何かを成し遂げるのに、人間が使っている時間という部分も含めて考えることで、ビジネスとして成り立つ可能性があることを本書では取り上げていて、個人的には自分がやっているキャリアカウンセリング/キャリアコンサルティングっていうのは考えた方によっては十分これが成り立つかと思っています。
実際、自分が日頃の仕事でやっていることとして
- 求職者自身が気付いていないスキルを拾い上げてそこへの気付きを与える
- 求職者の方が作成した職務経歴書/履歴書の添削や、あまりにもアピールが足りなさすぎる場合にはサンプル文言の検討
- 応募求人への志望動機、自己PRのサンプル案/文章作成
っていうのをやっています。
もちろん他の競合他社でもやっていると思うのですが、ネットサービス系、SIer、外資系HW/SWベンダーという業界カットで売りとかアピールポイント変わるしそこを踏まえてのサービス提供となるとそれぞれの業界で現在注目されている技術要素がどんなものであって、求職者の方のスキル、希望のギャップ分析をしてそれを踏まえてのアドバイスというのを言うほど簡単に出来るものでもないかと思っています。
自分もそれなりに勉強していることもあって、お会いしてから基本的には1時間という限れられた時間で上記のサービス提供するのは最近は大抵の場合行えるようになっているし、自分もそれで一応給与をもらっている以上は最大限のパフォーマンス出したいっていう気持ちが一番強いからね。
ここまでやっているサービスを全員に無料で提供しているという現状の習慣については疑問を投げかけたいし、この前お会いした人にも
「これだけ長い間xxさん(私のこと)のお時間もらって対応してもらったけど、正直ここまでやってもらえるならお金払っても全然アリですよー」
っていう嬉しい言葉をもらえたしちょっと可能性を探ってみたくなりました。





