40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

迷走する両立支援−いま、子どもをもって働くということ−

迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ
萩原 久美子
太郎次郎社エディタス
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おすすめ度の平均: 5.0
5 日本社会の本当の姿が分かる一冊
5 働くことって

ある日、あなたが、長時間労働できなくなったら。〜「迷走する両立支援」を読みました〜というエントリがはてブされていたので、図書館で予約して読んだのですが、上記エントリにあるように、重たい内容で、読み終えた後になんともいえないモヤモヤした感じが残る内容でした

この本の概要は?(どのような本か?)

本書は出産/育児などの「家庭」と「仕事」の両立ということについて、実際にそういう立場にある大勢の人へのインタビューをベースに書かれてます。世の中的には「ワーク・ライフ・バランス」とか「ダイバーシティ」という言葉を背景に、多様な働き方を目指そうっていう企業が増えているかと思いますが、実際のところ、「いま、こどもをもって働くということ」という本書の副題にあるように、果たしてこういう横文字で想定しているような職場、社会になっているかというとと、実際の所は・・・という感じかと思いますし、そのあたりの実情が大勢のインタビュー結果、日本だけではなく海外でのそれに関しての調査からより鮮明に浮かび上がったように思います。

その本を読んで印象に残ったところは?

金銭的に恵まれている人の場合、仮に公立の保育園に預けられなくても、私立の保育園とかベビーシッターを雇うなどして、こどもを持って働くことはできるかもしれないけど、その人が望むような”キャリア”を得られているかというと現実そうなっていないケース。

ギリギリの人員で仕事を回しているような状況では「周りに迷惑がかかるため」というプレッシャーを抱えているために、子供が急に体調崩した場合にも、気軽に休めないケース
自分が住んでいる練馬区で年度途中にもかかわらず、保育園の民間委託を実施したことがあるそうですがこちらから引用すると

光が丘第八保育園では行政と保護者による「協議会」が行われています。これらに参加するだけでも父母は大変な時間を裂かねばならないのに、様々な対策を行うために父母会などでも活動をせざるを得ず、さらに多くの労力を必要とします。

というように委託するのが目的で、誰のための行政サービスなのかがわからないようなケースなど、とにかく、家庭と仕事の両立をするのにあたって十分な支援がないというのがよくわかることばっかりで、正直お腹一杯になるくらいです。

他の人におすすめのポイントは?

読み終えて、モヤモヤするために、おすすめのポイントというが思いつかない(苦笑)

モヤモヤしてしまうのは、結局のところ、有効な打開策が見つからないからという所に行き着いてしまうからなのかなと思います。国や地方で何らかの予算がついて、新しい制度が始まったとして、育児や介護面での支援が充実したとしても、職場の中での矛盾やら問題点はまた別の話ですしね。

全体的に女性の立場で書かれている内容だからこそ、どちらかというと、自分のような子供を持った男性にこそ読んでもらったほうが良い本なのかもしれません。