40歳からのキャリアチェンジ

20代はエンジニア・PM、30代はWeb系エンジニア向けのキャリアアドバイザー。40代の今はフリーランスで開発含めて色々やってます。技術ネタとしてはRuby/RailsとJavaScript関連あたり

Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター

NHKスペシャルで、グーグル革命の衝撃〜あなたの人生を“検索”が変える〜 という内容で、来週の日曜日に放送予定なのもあって、この前読み終わったGoogle誕生の読書メモ。

上場にあたって、会社の決断を創業者の手中にとどめたいという2人の意向を反映して、2種類の株(クラスのAは議決権が1株1票なのに対して、クラスのBは創業者用で、議決権が1株10票あるというやつ)にしたとか、Don't be evil とか、20%ルール(CNET Japanの記事を参照)とかは、色々な所でとりあげられていて、個人的にはおおよそ知っている内容だったので、それ以外の話でストックオプションを付与されたチャーリーエアーズというシェフの話が結構、印象深かった。

社員がピザとかハンバーガーといったいかにもな食事ばっかりを口にしていた状況だったので、社員の生産性を高める食事の提供をしてほしいという役割を期待されて、チャーリーエアーズというシェフがGoogleに加わりました。

彼は毎日、社員のために食事を作りつづけるのだけど、朝はさておき、お昼については、当日にならないとわからないメニューを提供していたそうです。

「食べ物を通じてたくさんの文化を創るのを支える」

という彼の信念のもと、国際色豊かなメニューを社員に提供していました。(実際社員の方達が、人種、宗教的に多用だったからこれは必然的なのかもしれませんね。)

また創業者である、ラリーページ、サーゲイブリンの誕生日パーティには、それぞれの好みの食事を提供するのだけど、味もさることながら、細やかな心配り(たとえばサーゲイブリンはとにかく人と話すのが大好きだから、会話の邪魔にならず、一口二口で食べられるフィンガーフードを中心にしていた点)が出来る人のようです。

ただ、Googleという会社のスピードの早さと比例して、彼の仕事量もかなりのものだったみたいで、最終的には彼はGoogleを離れるのだけど、この章のエピソードを読む限り、彼自身とても社員に愛されていたシェフのようで、お別れの際のことがちょっと書かれていて、ちょっとウルっとしてしまいました。

Googleは会社が大きくなってきて、彼らなりの正義が鼻につくようになったからかわかりませんが、最近では、色々叩かれることも出てきた(最近だとTechCrunchのGmailの大惨事: メール大量消失の報告というエントリかな)けれど、この本を読む限り、社員のこと、そもそも会社の文化を大切にしようとする気概みたいなものを感じ取れる内容でした。

Google という検索エンジンは知っているけれど、会社それ自体について興味があるような人だったら、この本を読むと、Google の良い点/悪い点(正確に言うと、今後直面しそうな課題)がわかりますよ。

注)この本、約500ページあるので、まとまったお休みとかに読むのがよいかも。


Google誕生 —ガレージで生まれたサーチ・モンスター



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